「副業を始めたいけれど、何を選べばよいか分からない」
「ブログを始めても、収益が出る前に続かなくなりそう」
会社員の副業は、すぐに大きな収入を得る方法とは限りません。しかし、自分の経験を整理し、会社以外でも役立つ形へ変えることで、収入源と働き方の選択肢を少しずつ増やせます。
大切なのは、勢いで大きく始めることではなく、本業、健康、家族との時間を守りながら、続けられる最小単位を作ることです。
私は銀行システムの開発・保守に25年以上携わってきました。長く現場にいると、当たり前に行っている仕事のなかにも、若手や異業種の人に役立つ知識が蓄積していると気づきます。副業は、特別な才能を新しく作るより、これまでの経験を読者の困りごとに合わせて編集するところから始められます。
この記事では、ブログ、Kindle、継続の3つを軸に、会社員が副業を小さく始める方法を解説します。
副業を始める前に4つの安全確認をする
副業のテーマや収益化方法を考える前に、本業と生活を守る条件を確認します。ここを曖昧にすると、収入より大きな問題につながることがあります。
- 就業規則:届出・許可の要否、禁止事項を確認する
- 情報管理:顧客情報、社内資料、未公開情報を使わない
- 時間と健康:睡眠や本業へ影響しない上限を決める
- お金:初期費用と毎月の赤字上限を決める
経験を書くときは守秘義務を優先する
実体験は記事の価値になりますが、会社名や顧客名を伏せれば何でも書けるわけではありません。複数の情報を組み合わせると案件を特定できる場合もあります。
公開済みの一般情報と、自分の判断のプロセスを中心にします。画面、ログ、メール、設計書、数値など、社内や顧客の資料をそのまま使わないことが基本です。
副業時間の上限を先に決める
平日に毎日2時間と決めても、繁忙期には続きません。最初は「平日15分を2回、休日60分」など、忙しい週でも守れる時間から始めます。
厚生労働省は、副業・兼業に関するガイドラインやモデル就業規則を公開しています。雇用される形の副業では労働時間管理にも注意が必要です。自社の制度を確認し、不明点は人事や上司へ相談します。
1.ブログ|経験を検索される記事へ変える
ブログは、自分の知識や経験を記事として蓄積し、検索やSNSから読者に見つけてもらう方法です。収益化には時間がかかることがありますが、情報整理、文章作成、Web運営、マーケティングの経験が残ります。
テーマは経験ではなく読者の悩みから決める
「自分が書きたいこと」だけでは、読者が記事を探す言葉とずれることがあります。経験を棚卸ししたら、それが誰のどんな困りごとを解決できるかに変換します。
| 経験 | 読者の悩み | 記事例 |
|---|---|---|
| 障害対応 | 初動で何を確認すればよいか分からない | 障害発生後30分の確認手順 |
| 若手育成 | 相談のタイミングに迷う | 新人SEの報告・相談テンプレート |
| 家計管理 | 支出を減らしても続かない | 固定費から見直す家計改善 |
1記事1テーマに絞る
一つの記事ですべてを説明しようとすると、執筆が終わらず、読者も要点をつかみにくくなります。「誰が」「何に困り」「読後に何ができるか」を一つに絞ります。
【記事の読者】 【読者の困りごと】 【この記事でできるようになること】 【結論】 【手順・具体例】 【注意点】 【次に読む記事】
収益化より先に10記事分の悩みを並べる
広告、アフィリエイト、商品販売など収益化の方法は複数あります。しかし、読者の悩みを継続して解決できなければ、アクセスも信頼も積み上がりません。
まず一つのテーマで10個の困りごとを出し、シリーズとして記事を作ります。記事同士を内部リンクでつなぐと、読者が次に必要な情報へ進みやすくなります。
2.Kindle|まとまった知識を一冊にする
Kindle出版は、一つのテーマを順序立てて説明し、読者が最初から最後まで学べる形にする方法です。ブログ記事の再利用もできますが、記事を並べるだけでは書籍として読みにくくなります。
読了後の変化を一つ決める
本のテーマは広げすぎず、「読み終えた人が何をできるようになるか」を一つ決めます。たとえば、「新人SEが報告・相談の型を使える」「家計の固定費を一つ見直せる」といった具体的な変化です。
ブログとKindleの役割を分ける
| 媒体 | 向いている内容 | 主な役割 |
|---|---|---|
| ブログ | 個別の悩み、最新情報、短い手順 | 検索から知ってもらう |
| Kindle | 順序立てた体系、演習、事例 | まとまった価値として届ける |
ブログでは個別テーマを無料で分かりやすく公開し、Kindleでは順番、ワーク、テンプレートを加えて一冊の体験にします。同じ題材でも、読者が得る価値を変えます。
最小構成で1冊を完成させる
- 読者とゴールを決める
- 5〜7章の目次を作る
- 各章の結論と事例を書く
- チェックリストやワークを加える
- 表紙、紹介文、原稿を確認して出版する
最初から大作を目指すより、一つの悩みを解決する短い実用書を完成させるほうが、出版の流れを学べます。
3.継続|成果ではなく作業を管理する
副業は、売上やアクセスなど結果だけを目標にすると続きにくくなります。結果は読者や市場にも左右され、自分だけでは管理できないからです。
週単位の作業量を決める
「月1万円稼ぐ」ではなく、「毎週1本の構成を作る」「週3回15分作業する」など、自分で実行できる行動を目標にします。
| 曜日・時間 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 平日15分 | 題材メモ、見出し作成 | 2回 |
| 休日60分 | 本文執筆 | 1回 |
| 休日30分 | 推敲、画像、公開設定 | 1回 |
企画・執筆・公開を分ける
毎回ゼロからテーマを考えると、書き始めるまでに疲れます。企画日、執筆日、公開日を分け、同じ種類の作業をまとめます。通勤中にメモし、休日に本文を書くなど、場所に合わせて作業を分ける方法も有効です。
90日ごとに続け方を見直す
短期間で成果が出なくても、90日あれば作業時間、記事数、読者の反応を振り返れます。続ける、テーマを狭める、媒体を変える、休むといった判断を、感情ではなく記録から行います。
会社員向け・副業90日プラン
| 期間 | 取り組み | 完成イメージ |
|---|---|---|
| 1〜30日 | 経験の棚卸し、読者設定、10テーマ作成 | 記事候補10本 |
| 31〜60日 | ブログ記事を3〜4本公開 | 自分の執筆手順 |
| 61〜90日 | 反応確認、関連記事追加、Kindle目次作成 | 次の90日の方針 |
収益が出たかだけでなく、公開できた本数、作業時間、読者が読んだ記事、続けにくかった工程を記録します。
副業の税務で最低限記録するもの
副業を始めたら、売上、入金日、手数料、必要経費、領収書や請求書を分けて保存します。ブログや原稿料など継続的な副業の所得は、状況により雑所得または事業所得などとして扱われます。
年末調整済みの給与所得者が1か所から給与を受け、副業など給与・退職所得以外の所得が20万円を超える場合は、原則として所得税の確定申告が必要です。ただし、所得20万円以下でも、医療費控除などのため確定申告を行う場合や、住民税の申告が必要な場合があります。条件は人によって異なるため、国税庁と自治体の案内を確認してください。
「売上」と「所得」は同じではありません。一般に、所得は収入から必要経費を差し引いて計算します。何が必要経費になるかは、支出と副業の関連性を説明できることが基本です。
副業を始める前のチェックリスト
- 会社の就業規則と届出・許可の要否を確認した
- 顧客情報、社内資料、未公開情報を使わないと決めた
- 睡眠と本業を守れる作業時間の上限を決めた
- 初期費用と毎月の赤字上限を決めた
- 読者と解決する悩みを一つに絞った
- 週単位の作業目標を決めた
- 売上・経費・証憑を記録する場所を作った
- 90日後の見直し日を予定に入れた
まとめ:副業は小さく公開し、改善を続ける
会社員の副業では、完璧な準備より、小さな成果物を公開して改善することが大切です。ブログで個別の悩みを解決し、Kindleで知識を体系化すると、経験を複数の形で届けられます。
- 始める前に就業規則・情報管理・時間・費用を確認する
- ブログは1記事1テーマで読者の悩みを解決する
- Kindleは読了後の変化を決め、体系として作り直す
- 売上より、週単位の作業と90日ごとの改善を管理する
最初の一歩は、これまで人に質問されたことを10個書き出すことです。その中の一つを、誰かの困りごとを解決する短い記事へ変えてみてください。
参考にした公的情報
※税務上の取扱いは働き方や所得の状況によって異なります。制度内容は2026年7月時点です。個別の判断は、税務署、自治体、税理士などへご確認ください。



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