「考えはあるが、上司へ説明できる形にまとまらない」
「一人で検討していると、同じところを何度も考えてしまう」
壁打ちとは、答えを教えてもらうのではなく、対話しながら自分の考えを整理することです。ChatGPTは、時間を選ばず、途中段階の考えにも質問を返せるため、企画や課題整理の入口に向いています。
大切なのは、ChatGPTに結論を決めてもらうことではありません。自分では見えていない論点、前提、選択肢を言葉にするために使うことです。
銀行システムの開発・保守では、正解が一つでない判断が多くあります。私も壁打ちでは、賛成案を作らせるだけでなく、反対意見や不足情報を出してもらい、判断材料を増やす使い方を重視しています。
壁打ちは「整理・質問・比較」の3段階で進める
考えがまとまっていなくても問題ありません。最初から結論を求めず、段階を分けると対話が安定します。
| 段階 | ChatGPTの役割 | 得られるもの |
|---|---|---|
| 整理 | 発言を分類する | 目的・現状・課題 |
| 質問 | 不足情報を聞く | 前提・判断軸 |
| 比較 | 選択肢を並べる | 利点・負担・リスク |
1.まとまっていない考えをそのまま渡す
箇条書きや話し言葉のままでも構いません。「まだ結論を出さない」と伝え、まず内容を分類してもらいます。
実名、顧客名、案件名、未公開情報は、利用規約と社内ルールを確認し、必要に応じて置き換えます。
- やりたいこと
- 現在困っていること
- すでに試したこと
- 気になっている制約
- 自分の仮説
そのまま使える質問例
次の内容は整理途中です。結論を出さず、「目的・現状・課題・仮説・不足情報」に分類してください。重複はまとめてください。
2.ChatGPTに質問役を任せる
自分では何が不足しているか分からないときは、回答ではなく質問を求めます。一度に大量の質問を出させず、重要なものから一問ずつ進めると考えやすくなります。
答えたくない質問や判断に関係しない質問は飛ばして構いません。壁打ちは会話の主導権を手放すことではありません。
- 目的を確認する質問
- 読み手・利用者を確認する質問
- 制約とリスクを確認する質問
- 成功条件を確認する質問
そのまま使える質問例
このテーマを判断するために不足している情報を、重要な順に一問ずつ質問してください。私の回答が曖昧なら、具体例を示して聞き直してください。
3.選択肢と判断軸を並べる
複数案を出すときは、効果、実施負荷、リスク、期限、将来の再利用性など、判断軸を決めます。AIの点数だけで採用案を決めず、根拠を確認します。
最後に「現時点の仮決定」「未確認事項」「次に確認する相手」を整理すると、壁打ちが行動へつながります。
- 選択肢を最低3案出す
- 同じ判断軸で比較する
- 反対意見を一度出す
- 不足情報を残す
- 次の一歩を一つ決める
そのまま使える質問例
3案を、効果・実施負荷・リスク・期限・将来の再利用性で比較してください。推測は分け、判断に必要な追加確認を示してください。
よくある失敗と対策
最初から正解を求める
背景が不足したまま結論を求めると、一般論になります。先に論点を整理します。
賛成意見だけを集める
自分の案を補強するだけでは抜けに気づけません。反対意見や失敗条件も聞きます。
会話して満足する
最後に仮決定、確認事項、次の行動を残し、実務へ戻します。
仕事の壁打ちを始めるプロンプト
あなたは、結論を急がず論点を整理する壁打ち相手です。 テーマ:[検討したいこと] 目的:[何を決めたいか] 現状:[分かっていること] 悩み:[迷っていること] 制約:[期限・予算・社内ルール] 私の仮説:[現時点の考え] 進め方: 1. 内容を整理する 2. 不足情報を重要な順に一問ずつ質問する 3. 選択肢と判断軸を提案する 4. 反対意見とリスクを示す 5. 最後に次の行動を一つ決める
テンプレート内の角括弧を自分の業務に合わせて置き換えてください。実在する顧客名、個人名、機密情報を入力できるかは、利用環境と社内ルールで確認します。
実行前・公開前チェックリスト
- 機密情報を置き換えた
- 結論を急がず論点を整理した
- 不足情報を質問してもらった
- 反対意見とリスクを確認した
- 次の行動を一つ決めた
まとめ
ChatGPTとの壁打ちは、自分の代わりに考えてもらう作業ではなく、自分の考えを見える形にする作業です。
まずは次の報告や企画の前に10分だけ試し、論点と不足情報を整理するところから始めてみてください。
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